川崎中一殺害事件が発生してから、「少年法改正」、「少年法いらない!」などの声が聞こえ始めました。「少年法」はどうなっているのでしょうね。

 

少年法

少年法とは、未成年者(20歳未満)に成人同様の刑事処分を下すのでなく、(原則として)家庭裁判所により保護更生のための処置や手続きを決めたものである。

その理念は、未成年者は人格に可塑性(かそせい)があり、教育等で更生する可能性があるので、処罰でなく、保護教育を行うべきと言うこと。

 


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記事等の掲載の禁止(少年法 第六十一条)

氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

これは、匿名で扱えってことで、少年法に対する反響のひとつだろう。ただし、罰則はない。それで一部週刊誌が、しばしば実名報道に踏み切るのだろう。

死刑と無期刑の緩和(少年法 第五十一条)

18歳未満の犯罪に対して、死刑相当なら無期懲役に、無期相当なら10年以上20年以下とする。

これは、少年法に対する反響の中に含まれていないのではないだろうか。ここまで認識しての論ではないように見える。

では、なにを求めているのかと推測すると、次の事件が浮かび上がる。

 


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酒鬼薔薇聖斗(神戸連続児童殺傷事件)

1997年に発生した児童の首を切断し、小学校校門前に放置した。犯人は当時14歳中学生だった。

この事件で加害少年は、「少年法」により更生のために手厚く保護され、匿名で扱われた。

かわって被害者は実名で報道され、生前の写真も公開された。
被害者宅周辺には報道関係者が押し寄せ、カーテンも開けられない状態になり、両親の犯行ではとの憶測まで乱れ飛んだ。

これらから、世間では「少年法」が「加害者を守る悪法」と認識されてしまった。

 

少年法の改正

酒鬼薔薇聖斗の事件をきっかけにして「少年法」が改正され、「少年だから保護しよう」から「重大事件だから刑事事件として裁判へ」との「逆送致(ぎゃくそうち)」が行われるようになった。(2000年改正)

逆送致とは、検察から送致された少年を家庭裁判所で調査し、刑事処分相当と判断した場合、検察に逆に送致すること。

また、少年院送致の対象年齢をおおむね12歳以上とした。(2007年改正)

その他

「少年法」は、触法(法律に違反する)少年でなくとも、いかがわしい場所に出入りした、深夜に出歩いていた、等々で補導、指導のチャンスがある。廃止すれば、犯罪は増える可能性がある。この側面を考えると「少年法廃止」の論はおかしい。表面だけを見ての判断としか見えない。

深く考えずに、特定の深刻な犯罪が起こった時に世論が沸き起こるのかなと思う。

「女子高生コンクリート詰め殺人事件」では、加害者の一人は結婚し子供もいるようで、これは「少年法」の功績だとする意見がある。反面、SNSでは『こんな外道(げどう)が幸せになっていいのか?一生さらし者にすればいいのに・・・。』との意見も見られる。

 

川崎中一殺害事件

さて、この川崎中一殺害事件は、その凶悪さからおそらく刑事処分相当となるだろう。そうなれば、世間の言う「少年法」に守られてではなくなるのだが、匿名性のゆえに世間はそうは思わないだろうな。刑期としては、残虐さが重視されて成人で死刑相当と判断されれば五十一条により無期ということになる。これで世論は、納得するだろうか?

また、中学生の被害者は、『万引きを強要されて、ことわると殴られた』と生前言っていたらしい。彼がこれを断れずに悪の道に進んでしまい、その結果補導、逮捕などとなったのだとしたら、この時こそ保護・教育と言う、「少年法」の理念が生きていたのだろう。

そう考えると、「少年法」の内容よりもその適用に問題があるのじゃないかと思う。殺人や深刻な暴力沙汰を事前に防止するシステムが必要なんだろう。

法改正して厳罰化してもある程度の抑止にしかならず、場合によっては証拠隠滅等、よりいっそう凶悪化するだろうし。

犯罪が起これば、被害者とその家族、遺族の救済が最優先でなければならない。加害者の人権が優先されていいわけがない。世間には、ここが逆転しているように見えてしまうんだろう。

 

私見

被害者少年は、身の危険を感じても片親や妹に言えなかったのではないかと思います。心配をかけまいとする気持ちはよくわかります。

私にも、小学一年生の男児がいて、他人事と思えません。彼には、彼に分かる範囲でこの事件のことを話しました。怖がらせてもいけないのでざっと教え、どんなことがあっても守るからね、と伝えました。

そんな思いもあり、本記事では被害者・加害者双方の名前等、伏せさせていただきました。

被害少年へは、月並みなことしか綴れません。

ご冥福をお祈りいたします。

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