小野小町

『花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに』

この歌は、小野小町(825~900年)の作で百人一首にも選ばれていますね。
小野小町は、日本ではクレオパトラ、楊貴妃と並んで世界三大美女と言われています。

小野小町は、在原業平に片思いしていたようで、この歌はその悲しみを表現したとも言われています。

在原業平(825~880年)は平城天皇の孫で「伊勢物語」の作者とする説もあります。業平の代表的な歌は以下です。
『ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは』
『名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと』

 

小野小町の歌の「花の色」は桜の花のことです。同時に自分自身の若さや美しさも暗示しています。
「ながめ」は、「眺める」と「長雨」の両方の意味があります。

現代語風にすると、
花の色が色あせてしまいました。降る長雨を眺めている間に。(私の美しさも同じように衰えてしまいました。)
ってところです。

桜1

他に小野小町の代表的な歌は
『 いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞきる』
『色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける』
『うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき』

などとロマンチックな内容が多いですね。

 

菜種梅雨

『花の色は』に小野小町が詠んだ雨は、桜の季節(3月中~4月中)に見られるぐずついた天気で、「菜種梅雨」、「春の長雨」などと呼ばれます。

菜種梅雨は、菜の花が咲く時期なのでこう呼ばれるのだとか。また、春先で暖かくなったと思った頃に急に冷え込むことを「花冷え」「寒の戻り」と言います。

菜の花1

 

小野小町の生きた平安の時代から、とても美しく季節を表現しているものだと思います。

2015年の春は、今のところ平年並みか少し高い気温になると予想されています。

うすら寒く、雨で外出する気分にもなれない日には、家で折り紙で傘でも作って過ごしてはいかがですか。