酒池肉林、四文字熟語と言ったら最初の方に登場しそうな言葉ですよね。少しエロい情景をイメージしていませんか?
それ間違いです。
マネの「草上の昼食」ですが、こんな感じではありません。
それでは正しくは、どうなんでしょうか。
酒池肉林の意味と故事
酒池肉林は、酒や肉が豊富な豪華な酒宴という意味です。
故事は、中国の古代王朝、殷(いん:紀元前17世紀頃~紀元前1046年)の時代にあります。殷は文献によると夏を滅ぼして成立した王朝で、考古学的に実在が確認されている中国最古の王朝なのだそうです。現在からすると3700年も前の時代なんですね。
さて、その殷の歴史について歴史書「史記」「殷本記」を編纂したのが司馬遷(しばせん)です。司馬遷は、中国の歴史家で紀元前140年頃から紀元前80年頃の人だと言うのですから、これまた古いですね。
で、「殷本記」の中で、殷朝最後の30代王である紂王(ちゅうおう)は、愛姫である妲己(だっき)の関心を買おうとして言うがままに日夜、酒色に耽り、民を虐げたとされます。
妲己(だっき)は、やはり、その後中国では悪女の代表とされましたが、同時に魅惑的な女性の代名詞ともなったのだそうです。個人的には、魅惑的って部分で壇蜜さんを連想してしまいました。
こんな魅惑的な女性に溺れて、民のことを顧みず、税金を上げたりするものだから周(しゅう)の武王(ぶおう)に滅ぼされて殷朝最後の王となってしまったのでしょうか。
どのように誤解されている?
誤解されているのは、酒池は、酒に溺れる・・・でいいのですが、肉林が女性をたくさん侍らせて・・・と思ってしまうのでしょうね。
そうではなくて肉林の肉は豚の料理で、「焼猪(シュウチィ)」と言う小豚の丸焼きのなんだそうで、この料理を林のようにたくさん並べてってことなのです。
こんなのが料理されているのでしょうね。
かくして、酒池肉林とは、美女を侍らせて酒を浴びる・・・ではなくって、子豚の丸焼き食べ放題、うまい酒も飲み放題という贅沢な宴会の事になるのです。
現在の中国では、酒池肉林とは贅沢三昧のくらしをすると言う意味なのだそうです。
個人的には反論も
司馬遷の史記には、『紂王(ちゅうおう)が妲己(だっき)を愛し、その言いなりになり、税金を沢山取り立てて資金にし、酒を池のようにし、肉を林のように並べて参加する男女を裸にして・・・・』とあります。
なんだ、結局男女のあられもない姿が出てくるじゃないですか。「酒池肉林」と聞いてエロい想像するのはまるっきりハズレではないですね。