ちょっと知りたい雑学

お薬手帳、2016年4月から義務?料金が安くなる?

高血圧で、2ヶ月おきに投薬を受け、薬を飲み続けています。

4月になっての投薬で薬剤師に「お薬手帳をお持ちですか?」と聞かれました。
前にもらった記憶はあるのですが、その後どうしたかわからず、面倒なので「多分家にある・・・。」と答えました。

すると薬剤師は、「お薬手帳を薬局にお持ちいただかないと料金が少し高くなります。」と言っていました。
なんのこっちゃ?でしたが、その時は特に聞き返さずに帰宅しました。

それまで「お薬手帳」を製薬会社のサービス位にしか思っていませんでした。自分の貰った薬を自分で記録するもの・・・みたいな。

でも、料金が高くとなるとちょっと違う、と思い調べました。


お薬手帳

製薬会社のサービス・・・ではないようです。

患者が使っている薬の名前・量・日数・使用法などを記録できる手帳です。副作用歴、アレルギーの有無、過去にかかった病気、体調の変化などについても記入できます。お薬手帳の内容は下記です。

この「お薬手帳」の発端にソリブジン薬害事件があります。

ソリブジン薬害事件

1995年に「抗癌剤フルオロウラシル」と帯状疱疹(おびじょうほうしん)治療薬として、「抗ウィルス剤ソリブジン」とを併用した患者に重い副作用が起き、ソリブジン発売後の1年間で15人の患者が亡くなりました。

ソリブジンの臨床試験段階で併用による死亡が3例あったにも関わらず、併用されてしまったのです。

当時は、現在と違いがん告知が一般的でなく、複数の医療機関を受信している患者の服用歴の把握が困難だったようです。

ソリブジンは、併用の問題を周知徹底すれば有用な薬剤だったのですが、販売元が自主的に撤退したため、市場から消えてしまいました。

この事件により、患者の服用歴や副作用歴等を記録し、管理するためにお薬手帳が導入されたんだそうです。

 

お薬手帳で料金が安くなる?


制度の目的

ソリブジン薬害事件からわかるように安全に薬品を投与するためには、それまでの薬剤服用歴や副作用歴、併用薬といった情報が重要になります。

服薬状況を把握するために、患者が同じ薬局にお薬手帳を持参し、リピーターになるように、患者の負担金(お薬代)を安くし、誘導すると言うことです。

また、薬局を訪問する間が長いと体質などの変化がないかを確認する手間が生じるために6か月という期間を決めたようです。

 

問題点は

制度的には、良いと思うのですが、疑問もあります。

実は、血圧の投薬歴は長くてかれこれ20年くらいになります。最初の頃通っていた病院で症状を見ながらお医者様が決めた薬が合わなかったのです。

皮膚に発疹が出てしまい、相談に行ったところ、「薬疹ですね。」とのことで薬を変えて頂きました。薬疹(やくしん)とは、薬剤または代謝産物が原因で起こる皮膚粘膜反応のことです。

その合わない薬の名前を覚えていません。それから病院も変わってしまい、また同じ薬を投与され薬疹を繰り返す可能性はあるわけです。

こういう経験をしているのでお薬手帳の目的には納得しています。

ただ、お薬手帳の説明を受けたことがなく、過去に病院を変わった、あるいは新たな症状で受診した時に提示を求められたことがありません。

本来の目的からすると受診の段階でお医者様から提示を求められるべきかと思います。これからそのように運用されるのならいいのですが・・・。

で、ゆくゆくはマイナンバーと連動されてお薬手帳を持たなくても個人の服薬管理ができるようになればいいと思います。もちろん国としてはそのような運用を想定しているのでしょう。

 

マイナンバーカード持参で通院すれば、こういった情報が把握されて安全な投薬ができるようになることを期待しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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