スカンクといえば、「くさいおなら」ですよね。真っ先に思い浮かべるのがこれでしょう。
では、なぜスカンクは、そんなにくさいおならをするのでしょうか。そうしてそのにおいを戦争に利用したってどういうことなのでしょう。
スカンクの悪臭の元は
スカンクは肛門の両脇に肛門嚢を持っていて、そこから強烈な悪臭のある分泌液を噴出するのだそうです。おならじゃないのですね。
スカンクの分泌液の主成分はブチル・メルカプタンというもので、においは、硫化水素臭とかニンニク臭などとも表現され、スカンク臭ということもあるようです。
この悪臭は強烈で、一度嗅いでしまうと二度とスカンクに近づきたくなくなるくらいなんだとか。
スカンクは、クマやピューマや犬などの天敵から身を守るために分泌液を発射します。
そうして一度でもこれを浴びた天敵は、自分の方からスカンクを避けるようになるのです。
強烈な武器ですね。
ただし、フクロウやワシなどの猛禽類には効果がないそうです。
攻撃の前に威嚇行動するスカンク
スカンクは分泌液を発射する前に威嚇行動をするのだそうです。
前足で地面を叩いたり、しっぽを立て、肛門を相手に見せつけたりなどの特徴的な行動をとります。
この威嚇行動を無視されると、スカンクは、肛門嚢から分泌液を相手の顔に向かって発射します。4~5メートルの距離でも命中するというのですから恐ろしい武器です。
でもいきなり攻撃せずに威嚇するのが、日本の侍の「よらば切るぞ」を思い出させて少し微笑ましいと思いました。
分泌液の効果は
衣服についた分泌液は、においを取り除くことが出来ず、捨てるしかないそうです。目に入ったら激痛で、しばらく目が見えなくなるそうです。
皮膚についた場合なのですが、ウィキペディアでは「皮膚のタンパク質と強く結合し除去困難」としていますが、手元の書籍では「簡単に洗い流せる」としています。ネットの各サイトでは、ウィキペディアを参照しているようですが、一部では、「水で洗い流す」としているところもあります。
どちらが正しいのか現時点では未確認です。
さて、それではスカンクの悪臭を戦争に使った話です。
スカンクの悪臭を戦争に?
こんなとんでも発想を考えついたのは第一次大戦の米軍です。
第一次大戦は、飛行機や毒ガスがはじめて武器として使われ、近代戦争の幕開けとなりました。
そんな中で、米軍は、
「スカンクの悪臭を流せば、敵は毒ガスと勘違いするのじゃないか・・・?」
とアイデアを思いつきました。
そこで、ドイツ軍の風上からスカンクの悪臭のガスを流しました。するとドイツ軍は驚いてガスマスクを装着、すっかり動きが鈍くなってしまいました。
米軍は、身軽に風上から攻撃をしかけ有利な戦闘を進めました。ドイツ軍情報部がこの作戦を見破るまで米軍は、何度も同じ方法で有利な戦いを展開したのだそうです。
「よらば切るぞ」のスカンク侍からしたら、「なんて卑怯な人間たち」と思っているかもしれません。
今回の記事は、お役にたてたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。