「反りが合わない」って言いますよね。
同じ職場で上司と部下だったり、同僚だったり、学校ではクラスメート同士だったり、いずれにしてもなんだかギクシャクしたてしまって居心地が悪いことがあります。
反りが合わないの語源
反りが合わないの語源は刀なんです。
反りとはそのまま「そっていること」なのですが、本来は、刀、脇差し、短刀など刀身の湾曲部分のことです。
刀匠は、日本刀を作るときにこの反りを入れます。
刀で切りつけるときに刃でたたくようにしてもあまり切れず、少し刀を引くようにするとよく切れます。日本刀に反りをつけると叩きつけた状態でも刀が引く力が発生し、よくきれるのだそうです。
包丁でものを切るときにもまっすぐ抑えるのではなく前後に動かしますよね。
西洋の刀がまっすぐなのは、切ることではなく突くことを目的にしているからなんだそうです。
日本刀の反りは、1本1本異なるため、それぞれの刀身がぴったり収まる鞘(さや)を作ります。こうして中に入る刀と鞘がぴったりと合わずしっくりこない状態を反りが合わないとして、気心が合わない関係を「反りが合わない」と言うようになりました。
この表現は、1615年ころ(江戸時代初期)の戯言養気集という江戸初期の小咄を集めた本があるのですが、その上巻に『反りが合わぬ所あるを見るにつけても』との一節があり、この頃には使われていたようです。
反りが合う
反対の意味の「反りが合う」は、気心の知れたという意味ですが、この表現は江戸時代中期の滑稽本に見られます。現代では、反りが合わないは聞きますが、反りが合うはあまり使わないようです。
どちらかと言うと「ウマが合う」の方が使われているようですね。こちらは乗馬の際に乗り手と馬の息が合わないとダメで、馬と乗り手の呼吸が合うことを「ウマが合う」と言います。
職場でも家庭でも学校でも日常を過ごす相手とは、あまり気を使わず、『何を考えてるんだろう??』なんて悩まなずにお付き合いをしたいものです。
最近話題のアドラー心理学なんかが参考になるかもしれません。