大根役者と千両役者って言います。千両役者は、何となく分かるのですが大根はどこからそうなったのでしょうね。
大根役者とは
大根役者とは、演技の下手な俳優のことです。
語源にはいくつかあります。
- 大根は白いので玄人(くろうと)に対する素人(しろうと)の「白(しろ)」にかけた。
- 演技が下手なので、馬の前足・後ろ足の役になり馬の足が大根を連想させた。
- 大根はいくら食べても当たらないことから、役をとっても当たりをとれない役者との意味。
- 江戸者はダイコンをデェコと言った。そこからデェコ=デク(デクノボウの略)になった。
- 下手な役者は「舞台からおろす」と「ダイコンをおろす」をかけた。
- 大根は「きれいだがマズい」と「見た目はいいが演技がマズい」をかけた。
などですね。
「大根がまずい」ってのはちょっと共感できませんね。おいしいですよねぇ。もしかしてメシマズ嫁が調理している?
千両役者
大根役者に対して、顔立ちもよく演技も優れた人気俳優が、千両役者です。
本来の意味は、年間出演料を千両も稼ぐ大物の役者のことです。ただ、人気商売なので、実際よりも高めに言っていたこともあったようです。
初代市川団十郎は元禄6年(1693年)に250両、3年後の元禄9年に320両で、最高の時でも800両だったそうです。
最初の千両役者は、女形の吉沢あやめと言われています。
その後、寛保元年(1741年)に二代目市川団十郎が2000両で大阪の佐渡島座に迎えられたと記録にあるそうです。
千両っていくらくらい?
これは知りたくなりますよね。
ただ、時代が違いすぎて、正確に比較することは不可能のようです。
当時の物価や賃金などを元に推測するしか無いらしいですが、1000両は、今の金額でおおよそ1億円くらい、という説が有力のようですね。
年収1億円なら、現在のプロスポーツ選手でも1流レベルだと思います。そんな高額所得者が江戸時代にもいたのですね。
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