通販番組を見ていたら、鍋を紹介していました。「これひとつで煮る、茹でる、揚げる、炊く、がすべてできる、・・・」と紹介しているのです。
揚げるはともかく、煮ると炊くって違うの?と思いました。この言葉を一度に聞いてしまうと少し混乱したので、整理してみます。
写真の鍋は、通販で紹介していた鍋ではありません。
煮ると茹でるの違い
煮ると茹でるの違いは、①味がつくかつかないか、②それで料理が完成するのか下拵え(したごしらえ)なのかとの違い・・・、との解説があります。
①は納得ですね。「甘辛く(あまからく)煮た」はわかりますが、「甘辛く茹でた」とは言いません。
ゆでたまごは、味がないですが煮たまごは醤油等で味付けされています。
②は、どうなんでしょう。
再度登場しますが、ゆでたまごはどうなるのかと疑問です。確かにゆでたまごをおでんに入れたり、潰してサラダやサンドイッチにとしますが、ゆでたまご自身で完成品だと思います。
まあ、「茹でる」が下拵え(したごしらえ)のニュアンスが強いってことなのでしょうね。
その他、「茹でる」と「湯掻く(ゆがく)」が同じ意味との解説があり、また別のところでは材料に火が通るのが「茹でる」で沸騰した湯につけてしんなりさせるのが「湯掻く」として両者を区別する意見もあるようです。地域や時代に即して言葉が変化しているのでしょう。
煮ると炊くの違い
これは地域差があるようです。関東では、「炊く」といえば米ですが、他の食材は煮るとなります。対して関西を中心に西日本では、煮ると炊くは同じ意味で使われているようです。
関東では、おでんは煮物料理ですが、関西では「関東炊き」と言います。
写真は、関西や九州ではお馴染みの水炊きですが、関東ではご存知ない方もおられるようです。
他には、「炊く」は水気がなくなるまで煮詰める(米がそうなるので)、「煮る」は煮汁が残った状態である、とか
ツユより食材が出ているのが「炊く」でツユに浸かっているのが「煮る」とのご意見もあります。
これは、関西の水炊きが「水炊き」でありながら浸かっているので違うかと思いますね。
最後に
やはり、時代と地域で言葉は絶えず変化しているのでしょうね。日本語の奥深さを感じてばかりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。